【リマで藤村謙吾】ペルー沖縄県人会は16日(現地時間)、リマ市のペルー沖縄県人会館で芸能公演「リュウキュウダイナミック」を上演した。県の沖縄文化芸能指導者派遣事業で、9日からペルーを訪れている実演家が指導した会員らによる琉球舞踊や獅子舞などが披露された。若者たちの熱演に約300人の観客が歓声を送った。
県は2017年からウチナーネットワークの継承と発展への貢献を目的に、沖縄の芸能を海外県人会などで伝える「沖縄文化芸能派遣事業」を始めた。「沖縄文化芸能指導者派遣事業」と改称した18年からは、指導者を米国や英国などの海外県人会に派遣し、現地芸能団体との継続的なつながりをつくっている。ペルーには県職員や同事業総合コーディネーターの平田大一さんと、玉城流冠千会の玉那覇ロミナさん、創作芸団レキオスの宮城直仁さんが派遣され、琉球舞踊や獅子舞を県人会の会員ら約60人に指導した。
舞台はペルー野村流音楽協会の「かぎやで風」で幕を開けた。獅子舞では、指導した宮城さんのドラに合わせて1匹ずつ登場した獅子が勇壮な舞を披露した。観客は熱い視線を送り、惜しみない拍手を送った。
玉那覇さん指導の「湊くり節」「護身の舞」は、真剣な表情で舞台に臨む姿に会場が沸いた。最後は沖縄県費・研修生OB・OG会のキムタカ会や地元エイサー団体、平田さんら指導者が「ダイナミック琉球」の曲に乗せて踊り、カチャーシーで幕を下ろした。
獅子舞の指導を受けた県系3世のダビット・リモンチ・タマモトさん(37)は「エネルギーあふれる指導で、沖縄の文化や歴史が身近に感じられた。沖縄を思う気持ちがより大きくなった」と話した。
平田さんは「礼に始まり礼に終わる、芸能の原点を伝えることを意識した。その心が伝わったと思う」と笑顔を見せた。
県人会の山城晃会長は「とても恵まれた機会を与えてもらい感謝している。今回学んだものを将来、他の会員にも伝えていってもらいたい」と話した。