【宜野湾】宜野湾市大謝名、嘉数、我如古など市域の南部地域で18日午後、水道水に高濃度の塩素が流出し一時飲用ができなくなった問題で、対象地域に住む住民からは「どんな影響があるのか心配だ」「原因をしっかり究明し、再発防止に努めてほしい」との声が上がった。夕食の支度などに影響があった飲食店や家庭もあったようだ。
大謝名自治会の天久盛忠会長(69)によると、市上下水道局からは夕方に連絡が入り、防災無線でアナウンスされた。少なくとも自身が会長を務める過去4年間は同様の事態は発生していないという。天久会長は「放課後、学校に残っている子どもたちが知らずに水を飲んでいないか心配だ」と気をもんだ。
市長田のスーパーに娘らと買い物に来ていた市宜野湾在住の多和田あかねさん(31)は「(高濃度の塩素が)流出していた時間帯に風呂やトイレそうじをしていて、長時間水を触っていた」と不安げな表情で話した。現時点で体調不良を訴える家族はいないが、水道局に対して「情報を早く伝達するようにしてほしい」と求めた。
市宜野湾の飲食店従業員は本紙取材で初めて事情を知り、驚きを隠さなかった。「水を加熱すれば使っていいのかな。分からないことが多過ぎる」と不安な心境を吐露。「お客さんには迷惑を掛けられないから、しばらくは水道水を使わないように気を付ける。市水道局にはもっと情報を早く、広く、みんなに伝えてほしい」と訴えた。
別の市民も「水道水の残留塩素が疾患につながらないか心配。水道局は今後も毎日残留塩素の濃度を検査し、ホームページなどで公表するべきだ」と述べた。
飲用時には煮沸すべき
基準値以上ということは飲み水にふさわしくないということだ。そのまま飲むことは避け、煮沸などするべきだ。個人差はあるが、じんましんやかゆみなどの症状を感じる人もいるだろう。重篤な被害は考えにくい。通常より臭いがきついと感じた場合は、水を流し続けると薄まっていく。
市内の広い範囲なので、普通に利用すれば1日で基準値に落ち着くだろうが、貯水タンクに残留している場合もある。
県内の水道水は河川から取水する場合が多いため、アンモニアを中和するため塩素を使用する。多少の増加は考えられるが、基準値の5倍は高いという印象だ。管理体制を見直すなど原因を究明し、再発防止を講じるべきだ。