まろやかの香りに甘み… 沖縄伝統の漬物を96歳の女性が伝授 大根砂糖漬けで長寿に


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松田喜代さん(右から3人目)の指導で、大根を黒砂糖で漬ける女性ら=浦添市の浦西公民館

 【浦添】まるまる伝授、おばあの漬物―。大根を黒砂糖で漬けた沖縄伝統の漬物「地漬(ジージキー)」の講座がこのほど、浦添市の浦西公民館であった。講師を務めたのは、ことしカジマヤーを迎えた松田喜代さん(96)=浦添市。地元の女性ら約20人が参加し、長寿の秘訣(ひけつ)を学んだ。

 講座は計3回。塩もみした「荒漬け」、白砂糖を入れた「塩抜き」を経て、最終回の11日は「本漬け」に挑戦した。

 二つ割りにした大根をバケツから取り出し、布巾で水気を拭き取った。続いて瓶の中に入れ、黒砂糖で漬けていった。松田さんは「途中で泡が出てきたら、黒砂糖が足りていない」と助言した。

松田喜代さんが漬けた3年ものの大根(中央)など

 松田さん自身、子どもの頃から地漬を食べていたが、実際に漬け始めたのは80歳を過ぎてからだった。毎年20~30キロ分の大根を漬け、「食べたい時に食べる」。

 講座には3年前に漬けた大根も持参。試食した豊里ハルさん(76)は「香りがまろやかで、普通の甘さではない。おいしい」と驚いていた。

 漬け方を他人に「伝授」するのは初めてという松田さんは「経験を重ねて、ぜひ成功させてほしい。後々まで(地漬が)続いていけばうれしい」と話した。