〈39〉チャイルドシート 後ろ向きで後部座席へ


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 自動車で出掛けるとき、チャイルドシートは後部座席に設置してください。その向きは、進行方向に対して後ろ向きと前向きのどちらがより安全でしょうか。

 急停車時は、大人でも頭が前方に振られ、その後、後頭部がヘッドレストにぶつかります。乳幼児は身体の割に相対的に頭部が大きいのが特徴です。乳幼児を前向きのチャイルドシートに座らせていると、急停車時などに首を基点に頭が大きく前方に振られます。その後、後方に大きく振り戻され、後頭部をシート面にぶつけることになります。急停車するたびに後頭部をシート面に繰り返しぶつけることになります。

 進行方向に対して後ろ向きに座らせたときは、急停車時などの場合、まずチャイルドシートに接着している後頭部、背中、肩、腰など体全体で衝撃を受け止め、衝撃が軽減されます。その後、頭部が軽く前屈しますが、首を基点にした頭部の揺れは小さくなり、頭部への衝撃が軽減されます。自動車のチャイルドシートは後ろ向き装着を推奨します。

 2018年の日本自動車連盟(JAF)の調査では不適切なチャイルドシート装着が53・8%でした。チャイルドシートは取り付けが容易で、正しく使い続けることができ、車の座席の形状に合うものを選びます。できれば実際に正しく取り付けられるかを確認するとよいでしょう。

 装着したチャイルドシートを揺すると車全体が揺れるぐらいが、しっかり固定されている状態です。シートベルトで固定する方式のチャイルドシートは、次第にシートベルトが緩んでいきます。チャイルドシートに保護者の体重をかけて、シートベルトが緩む場合は再固定が必要です。

 最近の自動車には容易に固定できるISO―FIX(アイソフィックス)方式の取り付け装置が設置されています。乗車中の事故から子どもを守るために、チャイルドシートを正しく装着しましょう。

(小濱守安、県立南部医療センター・こども医療センター 小児科)