むら咲むらで実証実験 リストバンド型キャッシュレス アビームコンサルティング


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
リストバンド型のキャッシュレス決済機器でサービスの料金を支払う利用者=1月12日、読谷村の体験王国むら咲むら

 ITコンサルタント業などのアビームコンサルティング(東京都、岩澤俊典社長)は、読谷村の観光施設「体験王国むら咲むら」と連携し、リストバンド型のキャッシュレス決済機器でモノやサービスの料金を支払う仕組みを実証実験した。イベントや施設単位での実験を重ね、将来的には観光客が県内各地で簡単にキャッシュレス決済を利用できる仕組みとして普及させることを目指している。

 1月に行った実証実験では、入場者に1900円か3900円を入金したICチップ入りのリストバンドを販売し、施設内の体験型の工房や飲食店などで利用させた。

 入退場時に専用の機器にリストバンドを読み取らせることで、利用者の性別や出身国などの属性ごとに施設内での行動やどこでいくら使ったかなどをデータとして蓄積でき、経営戦略などに活用できる形で提供することも可能という。

 むら咲むらの國吉潤企画営業部長は「施設内の店舗はまだまだアナログだが、今後、海外客も増えていく中、キャッシュレス対応は不可避だ。消費者の利便性向上や施設利用者の増加にもつながる可能性があると思う」と述べた。

 アビームは以前から、県内でスポーツやエンターテインメント関連事業に関わっており、沖縄観光の課題となっている消費単価を増加させる手法を検討した。同社の久保田圭一執行役員によると、キャッシュレス決済は現金決済より25~30%程度消費が増えるとされており、誰でも簡単に使えるキャッシュレス決済の仕組みを導入することで、沖縄観光の課題解決につなげたいと考えた。

 むら咲むらでの実証実験を皮切りに、ライブやスポーツ観戦、ビアフェスタなどのイベントなどで実験を重ね、最終的に全県に広げることを目指す方針。

 久保田執行役員は、リストバンド決済の仕組みが米国のディズニーランドなどで広く普及していると説明し「空港を入場口として沖縄全体を一つのテーマパークと見なし、その中での購買がリストバンド一つで可能になれば便利な仕組みになると思う」と述べた。
 (外間愛也)