市有地処分、議事録なしに野党が反発 石垣への自衛隊配備 検討委の決定過程が不透明


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
石垣市役所

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の予定地に含まれる市有地の処分について審議・決定した、市幹部で構成する市公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)が議事録を作成していなかったことに、野党などから反発が強まっている。市は陸自配備以外の案件に関する検討委でも、議事録を作成していないと明らかにした。市は問題はないとの立場だが、野党は決定過程が不透明だとして、検討委の正当性を追及する構えだ。

 公有財産検討委は陸自配備予定地に関する昨年6月7日の会議で、「委員の特定につながり、意見を出しにくい」「周辺地権者などの個人情報も特定される恐れがある」として、会議の非公開とともに議事録を作成しないことを確認した。

 中山義隆市長は2月17日、「これまでも議事録は作成していなかった」と明らかにし「委員会では法律的に適合しているかや価格が適正かの判断になるので、議事録は作る必要はない」との見解を示した。

 川満副市長は「自由意思に基づき意見を言い寄って結論を得るもの(場)ではない」などとして、議事録を作成しない理由を述べた。一方で、知念永一郎総務部長は18日の議会運営委員会で「議事録はないが、会議概要を会議録として作成している」とした。

 市の説明に野党側は反発する。22日に会見を開いた野党会派「ゆがふ」の花谷史郎氏は、2012年度以降の公有財産検討委に関する情報公開請求に対して、議事録のほか、音声データもないとの回答があったとした上で「過去には音声データを取って、文字起こしの作業をしていたとの情報もある」とした。

 その上で「これまでも作成していないのなら、検討委ではなぜ別の理由を持ち出して作成しないことの確認をしたのか」として、市の見解を疑問視した。

 内原英聡氏は「検討委の決定が恣意(しい)的だと言われた時に反論する証拠を、市は放棄していることになる」と指摘した。