家の中でもできる陸上トレーニング アスリート工房 臨時休校で「ユーチューブ」に動画配信へ トップ選手が指導


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
レッスン動画の撮影に臨むアスリート工房の譜久里武代表(中央)、スタッフの与那原良貴さん(右)=2日、同クラブ学童クラブ(喜屋武研伍撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために小中校が臨時休校するのを受け、沖縄県内の陸上クラブ「アスリート工房」は児童生徒向けのレッスン動画「家でもできる陸上教室」をネットで公開する。当初はクラブ生が対象だが、今後、広く公開する予定。不急の外出は避けるよう推奨される中、家の中でできる動きを中心に紹介。休みの間も正しいトレーニングを続けられるようにする。マスターズ45~49歳の400メートルリレー世界記録保持者の譜久里武代表(49)は「子どもたちにはコロナに負けないでほしい。勇気と希望を与え続けたい」と力を込めた。

 陸上は継続性が重要な競技で、2週間以上練習しなければ筋力やスタミナの低下が懸念される。各市町村教委で臨時休校の実施が決まった2月28日夜、スタッフらで緊急ミーティングを開き、動画サイト「ユーチューブ」を活用し、レッスンを配信することを決めた。

 配信は週に2回、月曜日と水曜日を予定。「小学生編」と「中学生編」がある。1本10分間ほどの長さ。スタッフはレッスンの趣旨や効果を丁寧に説明し、具体的な方法はスタッフ自らが手本となって行う。使う道具も、使用済みのペットボトルに水を入れたものなど、すぐに用意できるものを用いている。

 小学生編はモチベーション維持が主な目的で、陽気な音楽や拍手などの効果音を付け、明るい雰囲気で体を動かせるようにする。中学生編はホワイトボードを使い、やや専門的な説明が入る。腕立て伏せ一つについても「地面をしっかり強く押すことで、瞬発力が鍛えられる」と細かなアドバイスも。

 動画は1本当たり撮影に30~40分、編集には1時間近くかかるという。与那原良貴コーチは「普段は走るメニューが主体だが、体づくりに集中できるめったにない機会になる」と子どもたちがレベルアップする好機と捉えていた。譜久里さんは「今後もスポーツの力で沖縄を元気にしたい」と話した。
 (喜屋武研伍)