沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3~5月の3カ月だけで、観光消費額が前年同期比で1千億円減少すると試算した。沖縄のリーディング産業である観光業を中心に打撃が大きく、小売りや物流など県経済全体に影響が広がっている。
OCVBの試算は県内で新たな感染者が出なかった場合の見込みで、状況次第で数値が変わる可能性がある。6月以降も新型コロナの感染が継続した場合の影響は見通せていない。県内の観光業界は感染拡大の防止に注力しており、現時点では積極的な誘客プロモーションを進める段階にはないという。
今後は売り上げの減少で社員の休職などに踏み切る事業者が増える可能性がある。厚労省の雇用調整助成金など行政制度を使う県内企業も出ており、各社は事業を維持するために対策を急いでいる。
新型コロナの感染が終息すれば、これまでの反動で旅行需要が活発になることが予想される。世界の観光地との誘客競争が激化することも考えられる。終息後を見据えた準備も県内の観光業界は求められている。
(中村優希)