辺野古土地改良に伴うアセス巡り政府と野党が対立 環境省は既に実施事業に「必要なし」 野党は「立法意思と矛盾」 法解釈に相違


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 【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡り、軟弱地盤改良などの設計変更に際して環境影響評価(アセスメント)のやり直しは不要とする政府の説明に対し、野党から疑問の声が上がっている。環境影響評価法に規定がないことが理由だが、国会内で4日にあった「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」(会長・近藤昭一衆院議員)の会合では、議員から法解釈の在り方を問う意見が上がった。

 環境省の担当者は4日の会合で、環境影響評価法が定義する事業者とは事業を「実施しようとする者」を指し「既に事業を実施している者」は対象にならないと説明した。防衛省は既に事業を実施しており、地盤改良に伴うアセスやり直しは不要との見解を示した。

 防衛省は辺野古の工事に先立ち、環境アセスの手続きを取ったが、その段階で大規模な地盤改良が必要になることは想定されていなかった。だが防衛省や環境省は、地盤改良も着手済みの辺野古の工事と同一事業であるとして、アセスやり直しは必要ないとする。

 「(着手済みなら)おとがめもなく工事できるのか」との質問に、環境省の担当者は「環境影響評価法の全ての条文について罰則はない」と答えた。高良鉄美参院議員(沖縄の風)は「事業をしようとする人も、している人も同じ事業者だ。アセスの意味がなくなる。法解釈が立法意思と離れていないか」と疑問視した。