新型コロナで観光客減なら沖縄の就業者年7690人減少 NIACが影響を試算 早期終息なら縮小も


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 南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は5日、新型コロナウイルスの感染拡大が県経済に及ぼす影響の試算結果を発表した。2月から5月までの期間中、前年同期比で観光客が約168万人減、観光消費額が約1101億円減となった場合、県全体の就業者数が年間で7690人減少する影響となり、完全失業率が0.42ポイント上昇するとの見込みになった。感染が早期に終息した場合は影響が縮小する可能性もあるという。

 NIACは沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が4日にまとめた新型コロナウイルスに関する推計を基に、県経済への影響を試算した。

 2018年度の県内総生産(GDP)は4兆5362億円の規模となっているが、観光客の減少に伴う影響で個人消費や企業の設備投資などが鈍化した場合、年間の名目GDPは767億円減少し、実質GDP成長率を1.5ポイント押し下げると見ている。

 企業の雇用調整による失業率の上昇や、消費の落ち込みでデフレが進むことも予想され、消費者物価は0.2ポイント下がると試算した。国税と地方税を合わせた税収は147億円減少の影響を受けるという。

 近年の県経済の拡大を受けた企業の人手不足などで県内の雇用情勢は改善が進み、1月の就業者数は73万7千人、完全失業率は3.0%となっている。新型コロナウイルスの影響を試算したNIACの金城毅上席研究員は「感染が長引いた場合は就業者などの減少幅は(試算より)大きくなることも考えられる」と指摘する。

 一方で、沖縄観光の最盛期となる夏場までに終息した場合は、旅行需要の高まりで観光業界を中心に持ち直しの動きが出ると見ている。金城氏は「年後半にかけて県経済にプラスの要因をもたらされる可能性もある」としている。

 OCVBがまとめた推計では、クルーズ船の寄港中止や航空路線の減少で観光消費額が2月に約101億円、3~5月に約1千億円の減少になると見込む。観光客数は2月に約18万人、3~5月に約150万人の減少を想定する。