辺野古サンゴ移植 沖縄県が指示取り消しを要求 農水省に拒否回答


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、新基地建設に必要なサンゴ類の移植を沖縄防衛局に許可するよう農林水産省が指示していたのに対し、県は6日、「期限までに許可処分を行う考えはない」と回答する文書を同省に送った。その上で農水省の是正指示は「地方自治法に鑑みて問題がある」として取り消すよう要求した。

 沖縄防衛局が申請した小型サンゴ類(約3万9590群体)の移植許可申請を県が認めないことについて、農水省は漁業法と水産資源保護法に違反していると主張している。それに対し、県は「水産資源の保護培養を図り、その効果を維持する観点から審査していて処分に至っていない。両法の趣旨に沿う」と反論した。

 また農水省が地方自治法にも違反していると指摘しているのに対し、県は「国と地方は対等・協力の関係にあるとの認識の下、地方自治が定める関与の基本原則などの趣旨に鑑み、本件指示のような関与は問題がある」と指摘した。

 県は3月30日までに是正指示が不当であるとして、国と地方自治体のもめ事を取り扱う総務省の第三者委員会「国地方係争処理委員会」に審査を申し出る方針だ。係争委の審査後、裁判に発展する公算が大きい。