琉球新報社 県内で3人目の新型コロナウイルス感染症の患者が確認された2月20日に玉城デニー知事が発表したコメントが2週間以上たった6日現在も県のホームページ（HP）に掲載されていない。北海道や秋田県、東京都など他の都道府県はHPで文字化したメッセージを掲載しており、対応に差が出ている。識者は「誤った情報も出回る中、不安を払拭（ふっしょく）するためにも知事のメッセージをHPなどで発信すべきだ」と指摘している。
県のHPでは知事がコメントを読み上げる動画は公開しているが、トップページから数回クリックしなければたどり着けない。「知事のメッセージ」のページでは、首里城火災に関するメッセージなどは掲載されているものの、新型コロナウイルスに関するメッセージはない。
2月13日に森田健作千葉県知事のメッセージの動画と文字をHPで公開した同県健康福祉政策課は、本紙の取材に対し「感染が広がりつつある中、県民に直接メッセージを届けた方がいいと判断した」と公開の理由を説明した。
県は「知事のコメントを公表する予定だが、新型コロナウイルスへの対応などもあり、現在作業中だ」と遅延の理由を説明した。
沖縄国際大の前泊博盛教授は「忙しい人はわざわざ動画を見ない。すぐに内容が分かる文字情報での発信もすべきだ」と指摘。県が情報通信技術（ICT）の積極活用を掲げていることを挙げ「ICTでの立県を打ち出しているのだから、これくらいはしっかりやるべきだ」と述べた。
