与那原、南風原、西原の3町を管轄する東部消防本部には、県内で2番目に多い5人の女性消防職員が勤務し、住民の安心や安全を守っている。その先駆けとなったのが、2000年に県内で初めての女性救急救命士となった新垣洋子(ようこ)さん(48)だ。勤務を始めて約20年がたち、今では県全体の女性消防職員数は26人に増加。同本部によると女性職員の対応は患者からの信頼も厚く、今後も採用数を増やしていきたいという。
「救急の現場を勉強したいという興味本位で、女性で初めてとは知らなかった」と語る新垣さん。看護学校を卒業し、看護師として県内の病院で働いた後、消防の道へと入った。現在は県消防指令センターに出向し、119番通報の受け付け業務を担当している。
同本部の城間満総務課長は「女性職員の対応は柔らかい。小さい子や女性患者がいる現場に行くと『女性で安心だ』という声もある」と語る。新垣さんは同じく県内の消防で働く夫と2人の子を育てているが、所属先同士で勤務を調整して働きやすい環境づくりを進めている。
東部消防本部で働く女性は新垣さんのほか、救急救命士や通訳官の資格がある4人。2カ月に1度は新垣さんの呼び掛けで女子会を開くほど、仲が良い。新垣さんは「失敗してもいろんなことにチャレンジすると視野が広がる。女性が活躍できる場が増えていくとうれしい」と語った。
(池田哲平)
3月8日は国連が定める「国際女性デー」。女性への差別撤廃と地位向上を考える日です。琉球新報は8日に向け、誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、紙面、Webで関連記事を掲載します。ハッシュタグなどで、県外メディアの女性デー企画とも連携します。