「支え合う環境があれば、性別によらない選択ができる」 座間味村副村長 宮平真由美さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「女性の就任が特別視されない環境がもっと広がってほしい」と話す、座間味村の宮平真由美副村長=座間味村役場

 2015年、宮平真由美さん(62)は座間味村で県内初の女性副村長に就任した。各メディアが「県内初」を強調したが、本人は「そうなんですか」とマイペース。19年9月、村議会で再任する人事案が全会一致で承認された。

 「自分の性別を気にしながら仕事をしていない。だから県内初というのもピンとこない」。やわらかい雰囲気で、ふふっと笑った。「みんなそれぞれ得意、不得意があり、それは互いに補い合える。そんな環境のおかげだろう」。そう考えるようになったきっかけは、ふるさとを離れて出産、子育てをした自身の体験にある。

 宮平さんは兵庫県出身。結婚を機に23歳で座間味に移住、村役場で働き始めた。臨時採用で建設課の事務からスタート。1983年に本採用。総務課長、政策調整監などを歴任した。

 33歳で出産し、初めて仕事を辞めようか悩んだ。「そのときは村内に保育所がなかった。夫も忙しくて預け先に困った」。家族を支えたのは、役場で給仕をしていた女性だった。「『仕事を続けて』と言って、子どもを預かってくれた。どれだけ救われる思いだったか」。当時の苦労と、今は亡き彼女を思い出して涙ぐんだ。

 「支え合う環境があれば、性別によらない自由な選択ができる。女性の就任が特別視されない環境がもっと広がってほしい」。現在は2期目。変わらず村を支えている。

(嘉数陽)

3月8日は国連が定める「国際女性デー」。女性への差別撤廃と地位向上を考える日です。琉球新報は8日に向け、誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、紙面、Webで関連記事を掲載します。ハッシュタグなどで、県外メディアの女性デー企画とも連携します。