昨年10月「選択的夫婦別姓」制度の法制化を国に求める意見書が、県内で初めてうるま市議会で可決された。きっかけは市議会全6会派の市議に対し、約3カ月かけて勉強会を重ねてきた眞鶴さやかさん(33)=うるま市出身=だ。可決の瞬間は傍聴席で立ち会った。振り返ってみて「おかしいと思ったことに対して、声を上げてきてよかった」と語った。
日本では夫婦同姓が法律で義務付けられている。パートナーとの結婚を考え始めた際、眞鶴さんはこの問題に直面した。「姓を変えれば自分が自分でなくなるのではないか」。結婚で姓を変えるのは圧倒的に女性が多い。その慣習や制度に対し、理不尽を感じ葛藤した。
そんな時、地方議会への陳情書や請願書提出を通して制度を変えようと活動する「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の存在を知った。「声を上げていいんだと勇気づけられた」。沖縄でも法改正への機運を高めるため、同団体に加入した。
市議との勉強会では苦労したという。「当事者意識がない人も多く、制度について一から説明しなければならなかった」と話す。くじけそうにもなったが、応援してくれる人たちがいたおかげで最後まで頑張り抜くことができた。
法改正に向けた市民の動きは県内でまだ始まったばかり。眞鶴さんは「声を上げれば理解してくれる人がいる」と話し、思いを共有する人たちを後押しした。
(砂川博範)
3月8日は国連が定める「国際女性デー」。女性への差別撤廃と地位向上を考える日です。琉球新報は8日に向け、誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、紙面、Webで関連記事を掲載します。ハッシュタグなどで、県外メディアの女性デー企画とも連携します。