「沖縄の現状を見て」 沖縄の大学生が国連事務総長に手紙で訴え 訪日時に来県を


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国連事務総長に送った手紙のコピーを手にする(左から)沖国大2年の石川寛人さん、仲本和さん、仲村満輝さんと大城尚子非常勤講師=7日、那覇市

 「沖縄の現状を見て」。沖縄国際大の学生約40人が8月に来日予定のアントニオ・グテレス国連事務総長宛てに手紙を送った。事務総長は被爆地の広島県で営まれる「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」などに参列予定。その合間に来県するよう提案している。「沖縄戦の傷痕が残る」「大学は危険と隣り合わせ」。率直な思いをしたためた。

 手紙を書いたのは「平和思想」の講義を受ける社会文化学科2年を中心とした学生。講義では、沖縄戦を経験し、基地問題が横たわる沖縄で「平和とは何か」を考える学生同士の議論が活発だった。担当する非常勤講師の大城尚子さんがその思いを国連事務総長に届けることを提案した。

 仲村満輝さん(20)=北谷町=は「沖国大には米軍ヘリが墜落した。自分たちがどんな危険と隣り合っているのか知ってほしい」と訴えた。石川寛人さん(20)=那覇市=は「沖縄は今も戦争の傷痕、基地が残る。守られるべき人権が守られていない」と思いを込めた。仲本和さん(20)=同市=は「辺野古の県民投票があったが、平気で工事が進んでいる。日本のこのおかしな事実を知ってもらいたい」と語る。

 学生の思いを受け止めた大城さんは「パッションを感じた。だから添削もしなかった。その方が気持ちが届くと思う」と期待を込めた。