性暴力なき社会へ、花片手につながる思い 沖縄各地で最後のフラワーデモ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
花を手に、性暴力の撲滅を訴える「フラワーデモ」に参加する人々=8日夜、那覇市泉崎の県民広場(又吉康秀撮影)

 2019年8月から毎月11日に開催されてきた性暴力の撲滅を訴えるフラワーデモが8日、名護市、うるま市、糸満市、那覇市の4カ所で行われた。那覇市以外で開催されるのは初めてで、主催者発表で延べ250人が参加した。花を片手に、参加者がそれぞれの思いを語る静かなデモは全国的に展開されており、3月を一区切りに終了する。

 フラワーデモin沖縄の呼び掛け人・上野さやかさんは「これだけ多くの人が、語る場を欲しかったんだと感じた。来たいと思っても来られなかった人たちも含めて、孤立ではなく、何らかの形でつながることができたらと思う」と語った。

 国際女性デーの8日に合わせて実施したフラワーデモ。朝9時半にスタートした名護市役所前を皮切りに、各地で開かれた。最後の場所となった県民広場には午後7時前から花を手にした人たちが続々と訪れ、この日最多の170人(主催者発表)が集まった。

 「被害者が語れなかったのではない。社会に聞く力がなかったのだ」という発起人の作家・北原みのりさん(東京)からのメッセージが読み上げられ、参加者らは共感するように深くうなずいていた。参加者が次々とマイクをつなぎ、性被害に遭ったことのある人、ない人もまた男性の参加者も、性暴力がない社会への思いを一つにした。

 京都の大学に通う東江晴夏さん(22)=那覇市出身=は、大学で性暴力やジェンダーについて学び、大事な問題だと気づいたとし「皆さんの声はゆっくりと確実に実を結んでいる。未来につながっていると伝えたい」と語った。

 男性が参加することに迷いがあったという会社員の男性(34)=宜野湾市=は、国際女性デーのシンボルフラワーのミモザを手に足を運んだ。「職場での昇進など女性が不利益を被っている機会が多く、男女バランスが偏っている。一緒に生きていく友達やパートナーとして男女対等でありたい」と感想を話した。