伊江村が独自に防音工事事業 米軍機騒音で国の基準満たさず


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 【伊江】伊江島補助飛行場に隣接する地域にある住宅の防音対策工事費を全額補助する村単独事業「真謝区・西崎区住環境負担軽減事業」で伊江村は4月、防音サッシや空調設備の設置工事に着手する。

 10日の村議会3月定例会に同事業費5千万円を盛り込んだ2020年度一般会計予算案を提案した。米軍機による騒音被害の対策を求める住民の要望を受けた事業。19年度に設計に着手、20年度から両区の約250世帯を対象に数年間かけて工事する。補助飛行場近くや騒音被害が大きい地域の住宅を優先して工事する計画で、村と両区で順番を調整している。

 米軍基地周辺の住宅防音工事に対する国の助成制度はうるささ指数(W値)75以上が事業の対象だ。沖縄防衛局が19年4月~20年1月に測定したW値の平均値は真謝区が60・8、西崎区が69・3で国の基準に満たない。

 一方、最大値は真謝区で昨年11月の夜間に91・7デシベル、西崎区で同12月の日中に100・1デシベルを計測している。100デシベルは電車通過時のガード下、90デシベルはカラオケ店内の騒音に相当する。