不動産鑑定士が解説する沖縄の公示価格の先行きは…


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 不動産価格は、その地域の土地需要に対する将来予測が重要な決定要因になる。公示地価は毎年1月1日時点の状況を基に決定されている。沖縄で住宅地、商業地、工業地ともに大きな伸びを見せたのは、少なくとも2019年末時点で、土地取引に関わるプレーヤーが沖縄の経済状況や土地需要は明るいと判断した結果と言える。

 一番大きいのは観光産業の好調さだ。インバウンドも含めて観光客数は増加傾向にあり、県経済が好調だと見る向きが強く、全用途で需要が高い状態が続いた。近年は金利水準が低く、公示地価が平均10%も上がる沖縄の土地は資産運用先として魅力がある。

 沖縄で人口増加が続いていることもプラス要因となった。沖縄は持ち家比率が全国でも低く、住宅取得を目指す層は多い。こうした層が読谷や糸満など中心部から離れた地域に持ち家を求めるようになり、従来は上昇率が低かった地域の住宅地価格を押し上げた。

 新型コロナウイルスの影響で県内に限らず、国内、世界で経済状況が悪化している。今後の見通しは不透明な部分が大きく判断が難しい。下がると断定はできないが、長期化すると厳しくなる可能性はある。

 こうした環境では不動産の評価も難しい部分がある。取引の実勢や家賃水準の変動などエビデンス(科学的根拠)に基づき、慎重に判断することが重要になる。

 確定的に言えることはプラスの影響は見いだしにくいということだ。