沖縄県の観光損失1867億円の試算 知事「追加補正も検討」 2~5月


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 沖縄県は3日、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済的な影響について、2~5月の入域観光客の減少による経済損失が1867億6200万円に上るという試算を発表した。県は、無担保低金利の「セーフティネット資金」の融資枠480億円を確保して県内中小企業の資金繰り支援にあたっているほか、雇用調整助成金の上乗せや空港へのサーモグラフィー設置といった緊急の経済対策をとっていく。

 玉城デニー知事は「国の対策と連動して、追加の補正予算も検討し迅速に切れ目なく対応する」と話した。ソフト交付金事業の計画を見直して緊急対策に充てることも検討し、内閣府と調整していることを明らかにした。

 試算は2~5月の観光客数が前年同時期比50%減となり、実数で167万1405人減少すると推計。1人当たりの消費額を掛け、直接効果に当たる観光消費の減少額を1166億8千万円と計算した。

 県のGDPに相当する付加価値誘発効果は1021億6800万円の損失になると試算した。2016年度の県内総生産4兆2819億6300万円の2・38%に当たる。
 理論上は1万9402人の雇用が失われるという計算になったものの、富川盛武副知事は「解雇せずに頑張っている企業があり、実際の数字とはかい離している」と話した。
 経済損失1867億円の業種別の内訳は、宿泊業や飲食店、旅行業を含む「対個人サービス」の損失額が716億100万円と最も影響が大きく、土産品販売店などを含む「商業」が397億7200万円、「運輸・郵便」が191億700万円などとなった。

 2001年の米同時多発テロの影響による観光客減少の経済損失額は291億円とされ、新型コロナによる影響は圧倒的に大きい。

 県は7日に発表される国の第3弾経済対策と連動して緊急対策を実施する。富川副知事は「できるだけ多くの予算を沖縄に回してもらえるよう要請していく」と話し、家賃などの固定費補助や雇用調整助成金の対象企業拡大などを国に要望していくとした。

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