選挙運動も自粛の波 県議選まで2カ月 延期論も選管否定


選挙運動も自粛の波 県議選まで2カ月 延期論も選管否定
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 任期満了に伴う県議選の投開票日(6月7日)まで2カ月に迫った。新型コロナウイルスの感染拡大で、候補者の多くは予定していた集会や演説会などを中止あるいは大幅に縮小するなどして選挙運動の自粛を余儀なくされている。有権者は候補者の“生の声”を聞く機会を喪失する状況が続く。終息の兆しが見えない中、候補者や有権者の一部からは投票日の延期を求める声も上がるが、県選挙管理委員会によると、現時点では予定通り実施する見込みだ。

 選挙の延期は県選管だけの裁量で判断できず、国会で特例法の制定が必要となる。国内で選挙が延長された事例は1995年1月の阪神・淡路大震災後の県議選や市町村議選と、2011年3月の東日本大震災直後の知事選や県議選だけ。いずれも地元選管の延期要請などを受け、特例法が制定された経緯がある。

 県議選の投票日について県選管は6日、琉球新報の取材に対して「予定通り実施する」との方針を示した。市町村選管には感染拡大防止のための対策を講じるよう、検討を呼び掛けている。担当者は本紙に「具体的な感染防止策はこれから詰める。ただ、感染拡大が続けば国に県議選の延期を要請する可能性もゼロではない。今は情報収集を続けながら県議選の準備を進めている」と述べた。

 一方、総務省は新型コロナの感染拡大を受け、全国の都道府県選管に対して投票所の混雑緩和のための期日前投票の積極的な呼び掛けや投票所の増設、係員のマスク着用、せきエチケットの徹底などを求める通知を出した。さらに、任期満了日の範囲内であれば投票日を変更することは問題ないとの見解を示した。一方、政府が自粛を求めているイベントの解釈を巡っても選挙は「該当しない」と通知した。総務省担当者は6日、本紙に対して「県議選の延長についてのコメントは差し控えたいが、予定通り実施していただきたい」と述べるにとどめた。