沖縄県内豚肉価格12%超上昇 コロナ影響 外食控え、家庭消費増


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 新型コロナウイルスの感染拡大で外食を控える人が増え、食材の家庭消費が増加している。とりわけ豚肉は3月末から上昇傾向にあり、卸売市場での6日現在の1キロ当たり単価は3月平均に比べて12・9%(59円)高い516円まで上がっている。

 県食肉センターの担当者は「異常な上がり方だ」と語る。野菜の卸売市場価格も6日現在の1キロ当たりの平均単価が約200円となり、昨年と比べて10%以上高い。
 外国人客に人気の牛肉は需要減で価格が落ちる一方、家庭でよく使われる豚肉や鶏肉、野菜は価格に大きな影響を受けていない。
 県内の豚肉卸売相場は関東市場と連動して価格が設定される。2月に入り一時、新型コロナの影響で外国人客が減少し、牛肉と同様に豚肉もキロ単価が451円まで下がった。
 外食産業の消費に影響が出て、豚肉を取り扱う業社で在庫のだぶつきがあったことが価格低下の背景にみられる。
 だが、3月に入って在庫が消費されたことで価格が上昇。4月に入っても連日上昇傾向にある。
 一方で、県畜産振興公社の仲村敏専務は「家庭消費で豚肉や鶏肉が売れているが、家庭消費が伸びたといっても(今後の価格上昇には)限度がある。インバウンドに人気があるアグーなどのブランド肉の価格はコロナの影響を受けるはずだ」と分析した。
 沖縄協同青果によると、キャベツの卸売価格が例年より3割ほど上昇しているなど、野菜類も価格が上がっている。
 スーパーなど量販店からの注文が増え、回転が速くなっているという。それでも同青果の担当者は「新型コロナの影響の見通しがつかない。一気に相場が下がる可能性もある」と話し、予断を許さない状況を明かした。