東京の沖縄料理店、時短や休業余儀なく コロナ緊急事態宣言、卸業者「影響は強烈」


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
緊急事態宣言で客足も減っている銀座わしたショップ本店=8日、東京都中央区銀座

 【東京】新型コロナウイルス感染防止に向けた緊急事態宣言から一夜明けた8日、東京都内の沖縄料理店などは、営業時間の短縮を決めるなど対応に追われた。仕入れ業者は納品先の休業で売り上げが落ち「共倒れ」につながる恐れもある。宣言前には沖縄食材を買いだめに来る人も見られた。3月末の外出自粛要請から夜の客足は遠のき、宣言をきっかけに休業する店も出ている。

 高級ブランドや百貨店などが軒並みシャッターを下ろし、人通りもまばらな東京・銀座。その一角で営業する銀座わしたショップ本店は8日から、終業時間を通常より1時間短縮して午後7時までとした。宣言発令を見越して6、7の両日は、健康食品や沖縄そばなどを買い求める客もいたが、8日は客足はまばらで普段の2、3割ほど。都知事の外出自粛要請もあり、来店客も多い土・日曜日だが3月末から週末の休業を始めた。4月に入ってからは前年と比べて売り上げは半分ほどに落ちているという。

 都内と神奈川県内を中心に沖縄の食材や物産を卸している琉球エージェント(横浜市鶴見区)の野村拓哉営業部長は、緊急事態宣言の影響を「強烈だ」と表現する。取引している沖縄関係の飲食店など約400店のうち半分以上が休業している。そのため4月の売り上げは7、8割減となったという。

 沖縄料理店などの休業は商業施設の閉鎖に伴うものもあり、オフィス街では夜の来店がぱったりやみ、ランチ営業のみとなっている店舗も少なくない。野村さんは「(緊急事態宣言を発令する)7日の会見を聞いて、8日から休むという店も数軒出て来た。沖縄フェスなどのイベントも8月ごろまでほとんどが中止や延期だ。店舗での小売りの強化や、ほとんどやっていなかったネットも動かして、沖縄食材を楽しんでもらえたら」と話した。