糸満市にある社会医療法人友愛会運営の南部病院に勤務する看護師(20代女性、那覇市在住)が、7日に新型コロナウイルスに感染していたことが確認されていたことが分かった。県内で医療関係者の感染が確認されたのは初めて。
南部病院は、看護師から連絡を受けた同日中に、看護師が担当していた病棟全室の消毒作業を行った。同病院によると9日現在、看護師の担当病棟に入院している患者36人に新型コロナウイルスの関連症状変化は見られず、保健所からは「PCR検査該当者はいない」と説明を受けたという。南部保健所から濃厚接触者と判断された職員14人は自宅待機しており、体調不良者は出ていない。入院患者については、濃厚接触者と判断された者はいない。病院側は「患者や職員にコロナ関係の症状が出ている者はおらず、院内感染が疑われる状況はない」と話している。
看護師は4月末に退職を控えているため、ルーティン業務から外れていた。3月31日から年休消化に入るため、最終出勤日は同月30日だった。28、29日は出勤せず、最終出勤日の30日に倦怠感を感じ、31日には味覚障がいを確認、4月1日に39度の高熱を出したため医療機関を受診、「へんとう炎」と診断された。4日、回復の兆しがみられないため再度病院を受診し、PCR検査を受けた結果、7日に陽性反応が出た。看護師は同日中に自ら勤務先の南部病院に報告。病院側は、救急車の受け入れと入院を前提とした紹介患者の受け入れを停止し、病棟の消毒を行った。
同病院の病棟は5棟で、入院者数は9日現在で166人。高齢者が多く、入院患者へは8日までに説明した。【琉球新報社電子版】