沖縄県女性力・平和推進課は10日、本年度の「女性の環境や能力向上に関する調査」を発表した。県の意識調査に回答した女性のうち「キャリアアップしたくない」と回答したのは57%に上った。「したい」は43%だった。女性が「キャリアアップしたくない」理由は「家庭との両立が難しい」が63・5%と最多だった。家事の分担に関する質問では、食事や洗濯など日常の家事を主に担っていると9割以上の女性が回答し、女性の家事負担の重さを反映した。
回答は30~40代の既婚男女150人ずつの合計300人。「家庭の理想」は「夫が外で働き妻は家を守ることだと思うか」という質問には、女性の38・6%、男性の36・0%が「そう思う」か「ややそう思う」と答えた。
企業調査(県内81社)では、管理職に占める女性の割合が3割に満たない企業が87・6%に上った。内訳は9%以下の企業が58・0%で最も多く、10~19%の企業が16・0%。20~29%の企業が13・6%だった。
個人への調査で「女性の活躍に必要なこと」に関する質問(複数回答可)では女性の74・0%が「保育や介護支援の公的サービスの充実」とし、最多の回答だった。「出産・育児休業後でもキャリア形成に影響がないこと」が63・3%で続いた。
配偶者のキャリアアップを「応援したい」と考える男性は92・7%だった。応援の方法(同)としては「自分が家事の負担を増やす」が71・2%と最も多く、「育児や介護、子どもの学校行事に積極的に関わる」が59・0%で続いた。
ただ家事の実施状況(同)では「食事の準備」「洗濯」「部屋の掃除」などの家事を「よくしている」と回答した女性の割合は、同じ回答をした男性の割合を大きく上回った。