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「1店でも多く生き残りたい」 飲食店がテークアウト、通販に営業変更 ライバル店の情報を共有するワケ

 YANBARがテークアウトで提供している料理

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛で客足が鈍り、打撃を受けている飲食業界。これまで店内飲食のみだった店で、テークアウト(持ち帰り)を始める例が急増している。テークアウト店の情報を共有するフェイスブックグループもでき、20日現在メンバーは5千人を超えた。各店は「売り上げの落ち込みをカバーするにはほど遠いが今できることをする。1店でも多く生き残りたい」と望みをつなぐ。


持ち帰りサービスを始めた居酒屋の「CENTRO(チェントロ)」=9日、那覇市泉崎

 那覇市の居酒屋「CENTRO(チェントロ)」は8日から、店内飲食を停止。営業時間を変更し、持ち帰りサービスを始めた。上原卓朗店長は「4月に入ってから売り上げが落ち、週末の来店客も通常の半分にとどまった」と明かす。

 食堂の「魚まる」(那覇市)は持ち帰りサービスを強化した。店長の多和田真光さんは「志村けんさんが亡くなった後、来店者数が激減し、売り上げも半減した」と困り顔。持ち帰りは売り上げ増に寄与しているが、「まだまだ(感染拡大の前に)届かない」と述べた。

 人が集まることを避けるため、営業形態を変える店も。沖縄市与儀のカフェ「みやんち STUDIO&COFFEE」は屋外の飲食スペースがあり、県内外の来店客が増えていたという。スタッフの諏訪絵美さん(36)は「ありがたいことだが、感染防止の対策も限界があった」と話す。


通販の商品を袋詰めし、発送準備をするスタッフの諏訪絵美さん=10日、沖縄市与儀

 来店客同士の感染を防ぐため、8日から店内での飲食を当面休業し、通販のみの営業に切り替えた。沖縄そばの麺やつゆなどを小分けにした特別メニューを追加した通販は、緊急事態宣言を受けた首都圏からの注文が大半を占めている。

 テークアウト店情報を共有するフェイスブックグループ「テイクアウトグルメOKINAWA」には本格的なレストランからカフェまで幅広い情報が寄せられている。


テークアウト用の料理を紹介する佐藤晃介さん

 開設したのは浦添市でイタリア料理店「YANBAR」を営む佐藤晃介さん(43)。佐藤さんの店も客の減少で売り上げが7割減ったため、テークアウトメーンに変更したが、苦しいのは周りの飲食店も同じ。「沖縄全体が元気がなくなっている。普段はライバル店だけど、みんなで乗り越え、みんなで笑顔になりたい」とグループを開設した。

 フェイスブックには実際に食べた人の感想も投稿されている。佐藤さんは「初めての店でもテークアウトだと価格も手頃で手が出しやすい。いろんな店の料理を家庭で食べて、感染が終息したら、気に入った店に行ってほしい」と期待した。
(玉城江梨子、呉俐君、下地美夏子)



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