那覇の保育縮小「預け先ないと困る」「仕事を休むしか」 戸惑う保護者、園側も不安視


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感染予防と預かりの必要性のジレンマの中、子どもたちを預かる保育園=21日、沖縄市内(提供)

 沖縄県那覇市が21日、医療従事者や特別な事情のある保護者の児童に限定した「特別保育」を決めたことを受け、市内の保護者は「預け先がないと困る」と戸惑い、保育園からは「子どもが放置されないか」と不安視する声も上がった。

 市内で経理の仕事をする女性(39)は4人の子どもを認可園と学童に通わせる。「まだ見てくれる人が必要な年齢で休園は困る」と焦る。勤務する会社は決算時期で多忙を極め、在宅勤務はできないという。家庭保育には年休を使うが「休むのは心苦しい」と打ち明ける。先が見えない中「特別休暇扱いにしてほしい」と求めた。

 4歳と2歳の子どもを認可園に通わせるIT関係企業勤務の女性(39)も「休園になれば仕事を休むしかない」と話す。社内では家庭保育を支援する制度もない。「いつまで続くのか」と困惑気味に話した。

 認定こども園「美ら夢保育園」の崎山泰弘園長は「医療従事者に保育を提供するのはわれわれの責務」と受け止める一方で「戸惑う保護者もいるだろう。市は不公平がないように対応してほしい」と求めた。

 別の保育園では利用者が半分程度に減っているが「預けないといけない保護者はいる」と理事長。店を閉めても補助金申請の手続きに忙しい自営業者もいるという。理事長は「預け先がなくなり、子どもが放置されることも予想できる。最終的に誰が子どもを守るのか。園の一存では決められないが、必要であれば預からなければならない」と話す。

 市学童保育連絡協議会の新垣譲事務局長は「子どもを預けられない人は『自分たちだって忙しいのに』と不満に思うだろう。あまり良い手ではない」と話す。市の決定の背景に病院職員の子どもの預かり拒否があったのではないかとし「職場で感染者が出るなどした保護者のために、仮設の施設を設置してはどうか」と提案した。

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