150円、おなかいっぱい 弁当箱持参の子に 豊見城「宜保商店」3児の父奮闘


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来店した女児に150円で提供している子ども弁当を手渡す宜保政紀さん=17日、豊見城市上田の「おべんとう屋・宜保商店」

 【豊見城】沖縄県豊見城市上田の「おべんとう屋・宜保商店」は8日から、子どもを対象に弁当箱を持参するとごはんやおかずを詰める取り組みを始めた。価格は150円。小銭と弁当箱を握りしめた子どもや保護者から大好評となっている。弁当を買った人からは「安い」「全部のおかずが好き」と喜びの声が寄せられている。8~17日現在で約360食が売れた。5月2日ごろまで続ける予定だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大の防止で学校が休校となったため、3児の父でもある宜保商店代表の宜保政紀さん(42)が「子どもたちや保護者のためにいま、自分にできることをしたい」と思い立った。

 利益度外視の150円での取り組みはSNSや口コミで広がった。活動を知り米や野菜を差し入れてくれる人が増えた。17日、自身の畑で収穫したタマネギ、ニンジン、大ネギなどの差し入れを持ってきた新田宜明さん(72)=豊見城市=は「原価すれすれと聞いて野菜を持ってきた。頑張ってほしい」と激励した。

 息子(4)と娘(2)と共に2回目の来店をした銘苅いづみさん(36)=同市=は「1回目においしかったからまた来た。子どもが好きな唐揚げやウインナーが入っている。野菜炒めもあってバランスがとてもいい」と絶賛した。那覇市から来た小学2年の仲宗根詩乃さん(7)は「おいしそう。食べるのが楽しみ」とはにかみながら話した。

 同商店の営業は月~土曜日午前6時~午後2時ごろまで。問い合わせは宜保商店(電話)098(850)0149。