県に申請の辺野古設計変更 議事録を防衛省が後出し


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 沖縄防衛局は22日午後7時半ごろ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた技術検討会と環境監視等委員会の議事録をまとめてウェブサイトに掲載した。軟弱地盤に対応するための設計変更の内容や環境影響を話し合った会合だったが、県へ設計変更の承認を申請した後に議事録を公表した。

 1日に開催された技術検討会では防衛局が20項目の誤りを示し資料を修正した。議事録によると、清宮理委員長(早稲田大理工学術院名誉教授)は「資料修正はこれまでの技術検討会の議論に影響はない」と述べた。

 地盤改良についての議論終盤で資料に複数の修正が加わったことについては、他の技術者らから技術検討会が誤りを指摘してこなかった責任を問う声が上がっている。検討会は、防衛局が地盤が軟弱であることを示す一部のデータを取り除いて設計していたことについても「データにばらつきがあり、何らかの影響が考えられるので棄却に違和感はない」などと追認した。

 環境監視等委員会では辺野古新基地建設の現場付近でジュゴンの鳴き声が確認されたことについて防衛局が報告した。その一方で設計変更に伴う環境影響は従来想定している範囲内で収まると説明。委員の1人は「ジュゴンについて状況が変わっている可能性もあり、今後もさらなる状況の把握が必要」と提言した。