緊急事態宣言が全国に拡大したことを受け、恩納村は5月6日までの真栄田岬の管理施設閉鎖を決めた。青の洞窟やダイビングスポットとして知られる真栄田岬は例年4月ごろ、ダイバーや海水浴客でにぎわうが、今年は静まりかえっている。
24日、岬のゲートには休業を告げる看板が掲げられ、観光やレジャーに訪れる人の姿はなかった。「この時期、台風でも来ない限り、こんな静かな真栄田岬は見たことない」と同岬を指定管理する「株式会社まえだ」の女性従業員は話す。
同社によると、2019年は約33万人が岬に訪れ、週末には駐車場に入るための車列がゲートから数百メートル先の集落まで続くこともあったという。施設収益の大半が駐車料金で19年4月の駐車台数は約1万700台だったが、今月は17日までに2千台程度と5分の1以下に落ち込んだ。
「株式会社まえだ」は同村真栄田区が運営し、収益の一部は同区の運営費へ回っている。同社代表の安冨祖正也真栄田区長(52)は「駐車場ゲートの維持費だけでも月に10万円はかかる。長期化すると経営は厳しい」と、赤字が続けば自治会運営に影を落とすと懸念する。「でも、施設を開ければ村外から人を呼ぶことになる。区民の安全安心が第一、我慢し耐えるしかない」と唇をかんだ。