感染防止のため追加支援を 沖縄県経済団体、消費税率ゼロも要求


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 新型コロナウイルス感染拡大を受けた「緊急事態宣言」の期限が延長されることについて、沖縄県内の経済関係者らは一定の理解を示しつつ、経済を疲弊させないさらなる支援策を求めた。

 県内約1300社の中小企業経営者でつくる中小企業家同友会の喜納朝勝代表理事は「感染拡大を抑えるのが一番大事なので、判断は間違っていない」と延長の方針を支持した。

 ただ、中小企業は資金繰りに窮している状況もある。喜納氏は「(返済期限が定められていない融資手法の)『永久劣後ローン』に加え、消費税率ゼロを求めたい。回復するまで消費税をゼロにすれば国民も希望が持てるのではないか」と語り、新たな支援策が必要だとの立場も示した。

 飲食業は県の休業要請の対象からは外れたが、時短営業や自主休業が広がる。県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「移入例を考えると気を緩めてはいけず、多少の延長は仕方がない。だが、営業自粛ムードの飲食業者がどこまで我慢できるのか分からない」と複雑な胸中を語る。

 飲食業を対象に、県の予備費を活用した緊急支援金10万円の申請が4月30日から始まったが、期限延長が決まると経営はさらに厳しくなる見通しだ。「通常通り開ける店もでてくるかもしれない。家賃補助など、さらなる支援策が必要になる」と見通した。

 観光業界は3月の入域客数が前年より5割以上減り、5月の大型連休の需要も見込めない。緊急事態宣言の延長でさらなる打撃を受けることは必至だ。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「県内外で感染症の影響が収まらないと本格的な(観光の)回復はできない。それまでに事業者らの経営と雇用をどう維持するのか。行政側の支援が問われる」と指摘する。

 雇用調整助成金や持続化給付金など支援策が打ち出されるが、いまだ事業者らの手元に届いていない。「スピードある支援が必要だ。家賃補助など固定費の支援を早急に実施し、事業者が安心して回復期を見据えることができる環境を整えてほしい」と語った。