社会

生活保護相談、那覇で3月の10倍に 飲食業が4割、新型コロナ直撃

那覇市役所(資料写真)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減るなど、同感染症に起因する生活保護の相談、申請が沖縄県那覇市で増えている。3月の相談件数(延べ人数)は8件だったが、4月は84件と約10倍になった。3月の申請件数(世帯数)は5件だったが、4月は25件と5倍に増えている。両月を合わせて10世帯(4月28日時点)の保護が決まった。市の担当者は「リーマン・ショックの時より相談者が多いと思う。異例の事態だ」と話す。

 新型コロナに関係しない事案も含めた全体の4月の申請件数は124件で、およそ5人に1人が新型コロナの影響を受けたことになる。昨年4月の申請は80件で、今年は新型コロナが全体の件数増に影響している。

 市によると、4月10日ごろから相談者が増え、解雇された人や「客が減って収入がない」という人が訪れている。「年齢的に再就職が難しい」「次の就職先は決まったが、就労時期の見通しが立たない」という人もいた。失業手当が出るまで短期的に生活保護を求める事例もある。

 1日に相談に訪れた56歳の男性は「対人恐怖症でこれまで日雇いの仕事をしてきたが、新型コロナの影響で仕事がなくなった。貯金もない。どうやって生きていけばいいのか」とうなだれていた。

 相談者の職種は飲食業が最も多く4割を占める。次に多いのがタクシーや運転代行などの運送業、ホテル清掃などの観光業でそれぞれ約15%だった。観光客の減少や外食の自粛などが響いているとみられる。年代別に見ると、60代が約26%で最多。これらの年代はタクシー運転手やホテル清掃員が多いという。40代、30代がそれぞれ約19%だった。

 市では、今後も相談者は増加するとみており「(リスク回避のため)交代出勤なので相談員の態勢も厳しくなってきている」と話した。
 (伊佐尚記)
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 司法書士の安里長従さんの話 県は新型コロナウイルス関連相談窓口の一つとして生活保護も紹介すべきだ。緊急小口資金貸し付けなどでは対応しきれず、生活保護申請を促した方がいい人もいる。きちんと生活保護を利用してもらうことで消費に回り、経済の観点からも良い。
 沖縄は貧困率が高いのに生活保護の捕捉率(利用率)はそれほど高くない。「車を所持していると受給できない」と言われることもあるため、申請をためらう人も多い。車は生活必需品として緩和していくべきだ。申請権を保障することが重要だ。窓口に2回行かなくとも申請できるようにしたり、審査を2週間にしたりと迅速さも大事だ。
 どこに相談していいか分からない人は県司法書士会の総合相談センターなども活用してほしい。



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