沖縄の大雨「恐怖しかない」10分で深さ1メートルに…浸水48件 土砂崩れも


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大雨の影響で氾濫寸前の報得川(むくえがわ)=6日午前7時25分ごろ、糸満市兼城(読者提供)

 6日の沖縄本島地方は、前線や湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定になり、大雨や強風に見舞われた。琉球新報のまとめでは、南城市で土砂崩れが1件あったほか、本島中南部で道路冠水や家屋の浸水など44件、車両浸水4件の被害計48件が確認された。いずれも人的被害はなかった。

 沖縄気象台は、本島中南部は6日の夜遅くまで土砂災害に注意を呼び掛けている。

 那覇空港は午前5時53分に最大瞬間風速17・5メートルの強い風を観測。那覇市具志の中古車販売店は突風でテントが壊れる被害も発生し、沖縄気象台が現地調査を行った。結果は7日にも公表される。

 「記録的短時間大雨情報」が発表され、早朝の1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降った糸満市は、農道が冠水するなどの被害が出た。自宅の駐車場に止めていた軽自動車が浸水で動かなくなった女性(66)=同市糸満=は「エンジンがかからない。廃車だよ」と肩を落とした。女性は午前6時半ごろに大雨に気付いたが、約10分後には家の前の道路が1メートルほど冠水していた。女性は「恐怖しかない」と力なく語った。

 同市糸満の与那原忠さん(67)は玄関を出ると、駐車場の車のボンネット付近まで泥水が迫っていた。「すでに車を動かせる状況ではなかった」。別の場所に止めていた息子の軽自動車は泥水に浸かった。与那原さんは「つらい」と苦しい胸中を吐露したが、「くよくよしてはいられない」と土砂の片付けで額から流れる汗を拭った。

 6日朝に本島中南部などで出されていた洪水警報は午前11時すぎまでに、南城市と八重瀬町の大雨警報(土砂災害)は午後1時33分に解除された。

 沖縄気象台によると、7日の沖縄本島地方は、高気圧に覆われておおむね晴れる見通し。【琉球新報電子版】

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