辺野古軟弱地盤は77メートルまで 70メートル以下「硬い」の説明一変


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 【東京】名護市辺野古の新基地建設に伴う軟弱地盤の問題を巡り、河野太郎防衛相は12日の参院外交防衛委員会で、防衛省が「非常に硬い」と判断した地層の深さを「水面下約77メートルに設定している」と明らかにした。これまでの国会答弁で同省は水面下約70メートルより深い地層を「非常に硬い」と説明してきた。実際には軟弱地盤が77メートルまで存在することになるが、同省は70メートルルまでの地盤改良で工事の安定性を保てるとの方針に影響はないとしている。

 委員会で問題にされたのは、箱型のコンクリート製護岸が置かれる「(3)27」と呼ばれる地点の海底地盤。防衛省が昨年9月に有識者会議「技術検討会」に示した資料で、同省が「非常に硬い」と判断した地層が(3)27の水面下77メートルより深い所に広がっていることが記載されている。

 一方、同省は昨年の国会答弁で、水面下70メートル以深は「非常に硬い粘土層」(岩屋毅・前防衛相)で、70メートルまでの地盤改良工事で安定性を確保できると強調してきた。辺野古の工事について独自に検証している新潟大の立石雅昭名誉教授ら調査団は、今月防衛省に送った質問書でこの点を取り上げて「虚偽答弁だ」と指摘している。

 河野氏は12日の委員会で、土質調査の結果を詳細に分析した結果、(3)27の硬い地層とそうでない地層の境界を「約77メートル」に設定し、昨年9月の技術検討会に提示したと説明した。防衛省の担当者は「必ずしも十分に硬く安定した土の層に達する深さまで地盤改良をしなくても(安定性は)確保し得る」と答弁し、技術検討会でも異論はなかったとした。

 質問した井上哲士氏(共産)は「70メートルより深い所は非常に硬いと繰り返し答弁してきた。77メートルまで軟弱地盤があることを隠してきたのか」などと批判した。