【沖縄】新型コロナウイルスの感染拡大による営業自粛で、映画館や劇場、ライブハウスなどが苦境に立たされる中で、沖縄市のカフェ映画館シアタードーナツ・オキナワ(宮島真一代表)は、オンデマンド方式の映画上映やビデオ会議アプリを活用したトークライブを試みている。インターネット上の販路拡大により、営業再開後も新規客の獲得につながることを期待する。
シアタードーナツ・オキナワは感染拡大防止のため4月9日から休業を続けている。売り上げは前年に比べて約7割減少した。
新作映画をデジタル配信するサイト「仮設の映画館」への参加を決め、ドキュメンタリー映画「グリーン・ライ エコの嘘」の有料配信を始めた。観客は参加する映画館の中から好きな映画や映画館を選び、自由な時間に視聴できる。視聴回数は同作品を配信する全国9館のうち2位と健闘中だ。
宮島代表は「地域やファンとつながりのある小規模映画館の強みを発揮した」と分析する。
通常営業時は、上映に合わせてトークライブも定期的に開催してきた。9日、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を活用し、無観客でのトークライブ開催を試みると、通常時とほぼ同数の約20人が県内外から参加してくれた。チャットなどを通して観客と交流した。
宮島代表は営業自粛の緩和後も客足が戻るまで時間がかかると予測し、自社配信サービスの構築も見据える。「劇場以外でも映画を届ける選択肢が増えた。県外の顧客獲得も期待できる」と話した。