沖縄海邦銀行(上地英由頭取)は14日、2020年3月期の連結決算(対象子会社2社)を発表した。貸出金利息などは増加したものの、株式等売却益や償却債権取立益の減少などによって、売上高に当たる経常収益は前期比10・2%減の130億4800万円となった。新勘定系システム稼働による費用増もあり、経常利益は同61・6%減の13億1200万円、純利益は同65・1%減の8億600万円で、4期ぶりに減収減益となった。
銀行単体の経常収益は同10・0%減の130億円、経常利益は同61・6%減の13億800万円、純利益は同65・1%減の8億500万円となった。本業のもうけを示すコア業務純益は同55・8%減の6億5500万円となった。貸出金利回りは前年比0・06ポイント低下し、1・94%だった。株式等関係損益は前年のオリオンビール株売却からの反動減もあり、同56・2%減の6億1200万円だった。
上地頭取はコスト削減に取り組む考えを示しつつ、新型コロナウイルスの影響について「地元の事業先の破綻をどう防いでいくのかを考えていきたい。中小・小規模企業に特化した金融機関として存在感を高めていきたい」と語った。
貸出金の平均残高は不動産業や金融・保険業など事業性貸出が増加し、前年比3・9%増の5042億6900万円。預金の平均残高は同5・6%増の6839億5100万円だった。
金融再生法ベースの開示債権残高は同11・2%増の94億3600万円で、不良債権比率は同0・12ポイント上昇し、1・77%となった。
21年度3月期の連結業績は経常利益が20年3月期比60・3%減の5億2千万円、純利益は同66・5%減の2億7千万円と見込む。感染症による与信費用の増加を一部加味しているが、変動する可能性もある。