沖縄の休業要請解除 県民、活動再開へ手探り 「人混み避けたい」警戒も


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
休業要請が解除され、一部営業を再開した大型商業施設の専門店などを見て回る買い物客=14日午後6時すぎ、那覇市おもろまちのサンエー那覇メインプレイス

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県が7業態に出していた休業要請が14日、一部を除き解除され、各地で営業を再開する店舗が増加した。利用が制限されていた公園も各地で開放され、子どもたちのはしゃぎ声も戻り、多くの人々が動き出した。一方で「人混みは避けたい」などと警戒する声も相次ぐ。感染防止と社会経済生活を両立し「日常」を取り戻す日はいつ来るのか。県民は手探りで進み始めた。 

 那覇市の中心市街地。県庁前の交差点では避けなければいけないほど、行き交う人が増えた。病院の帰りに通りかかった那覇市の女性(74)は「もうこんなに人も車もいっぱい。解除は早いと思う」と不安げに通りを見つめた。

 沖縄市の県総合運動公園は駐車場と遊具を開放。広場でかけっこをする子どもたちや弁当を広げる家族連れの姿があった。沖縄市の女性(29)は「楽しそうにはしゃぐ息子を見られてうれしい。自粛生活を頑張った分、外出できるのは感慨深い」と笑った。

 豊見城市豊崎の運転免許センターでは約1カ月ぶりに運転免許更新業務を再開、3密防止を徹底した。更新の期限が迫っていた南風原町の男性(68)は「再開と知って急いで来た」と胸をなで下ろした。

 宮古島市でも開放された公園に市民の姿が戻った。市平良下里のカママ嶺公園でウオーキングしていた64歳の女性は「久しぶりで少し疲れたけど、心が晴れた」とタオルで汗をぬぐい「まだ完全に大丈夫じゃないので、緩みすぎないようにしたい」と語った。

 4月7日から臨時休館していた名護市立中央図書館は、予定を1週間早めて14日に再開した。この日は来館者の姿もまばら。3歳、5歳の息子と訪れた主婦(33)は「子どもは絵本を読み尽くし退屈していたので良かった。感染が怖いので当分は外食や人混みは避けたい」と話した。

 石垣市では11日以降、営業を再開する飲食店なども出てきたが、土産物屋が並ぶユーグレナモールは閑散としたまま。臨時休業している土産物店の60代女性は「観光客もいないから開けていない。周りの様子を見ながらいつ開店するか決めたい」とため息をついた。