新型コロナ 本紙県民生活調査詳報(1) 今必要なもの「給付金」7割 若年層ほど「食料買えない」


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 新型コロナウイルス感染症拡大後の県民生活の変化を聞くため、琉球新報は沖縄大学地域研究所の協力を得てアンケート調査を実施した。有効回答は2393件。感染拡大前に比べ1カ月の手取り所得が半分以下になった人が33・7%に上るなど過酷な状況が明らかになった。さらに詳しく分析すると、職業や年齢で厳しさに差異があることが分かり、実態に合わせた対策が急がれる。自由記述では、多くの回答者が「生の声を届けてほしい」「国や県には一刻も早く対応してほしい」など窮状を訴えた。

<給付金>「一日も早く」「1回では足りない」  

「あなたやあなたの家族にとって今とても必要なもの」には67・3%が「個人への給付金」を挙げて突出した。自由記述には「一日も早く」「1回では足りない」等の声も多く、現金を必要とする人の多さが明確になった。「勤務する会社を支えるための補助金や融資」も35・5%に上った。

 「今まで通りの病院受診」「子どもが遊んだり学んだりする場」「趣味や楽しみの場」を選んだ人はいずれも約35%で、心身の健康や成長を支える日常が大きく制限されていた。新型コロナウイルスに関する情報を求める人も同程度いた。

<食料>「買えない」30代以下の回答3割

 「近い将来そうなりそう」という予測を含めて「あなたや、あなたの家族が困っていること」として「お金がなくて食料や必要な生活物資が買えない」を選んだ人は、全体の3割近くに上った。年代別に見ると20代が32・3%、10代、30代が30・6%と全体より高かった。年代が上がると率は下がり、若年層ほど苦しい状況だった。ただ最も低い60代以上でも16%いた。

 「食料などを買えない」を選んだ人を所得別に見ると、低所得層ほど割合が高く、月の手取りが「10万円未満」「10~15万円」の人では3割を超えた。

<所得の変化>「宿泊・飲食業」9割が減  

 「あなたの1カ月の手取り所得」がコロナ流行前からどう変化したかを聞くと、宿泊・飲食業では39・1%が「1割以下になった」と答えた。この業種では「2~3割くらい」(17・2%)、「半分くらい」(15・2%)、「7~8割くらい」(19・1%)と続き、合計90%超が所得を減らしていた。

 他にも生活関連サービス業・娯楽業、その他のサービス業などで影響が大きく表れた。医療・福祉、情報通信業や公務では比較的影響が少なく、業種間の違いが明確に表れた。

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