沖縄県北谷町の両替店で従業員を刃物で脅し現金約690万円を奪った強盗事件に関連し、県警は15日、米軍の捜査協力を得て、事件に関与したとみられる車両を沖縄署に移送し詳しく調べた。事情聴取した米陸軍兵の男らが犯行に使用した可能性があるという。事件現場の周辺住民からは「やっぱり米兵の仕業なのか」「許せない」など、憤りの声が聞かれた。
車両は犯行日の前日にも両替店付近で走行していることが周辺施設の防犯カメラに記録されている。米陸軍兵の男らは現場の周辺で下見をしていたとみられる。
防犯カメラの映像には12日午後3時47分ごろ、頭にフードをかぶり顔を隠した男2人が周辺施設を横切る姿が記録されている。同3時50分ごろには、両替店の裏の駐車場付近に侵入した。約6分後、2人は両替店の裏の道を駆け抜け逃走した。
前日の11日には、店の周辺を走る車両の姿が捉えられていた。県警は米軍の捜査協力などを得て、2人の足取りなど詳しい捜査を進める。
町吉原在住の新垣道雄さん(70)は「1年前には町在住の女性が米兵の男に殺害される痛ましい事件があった。生活圏内で次々と事件事故が起き、恐ろしさと憤りでいっぱいだ」と語る。「繰り返される悪事が、県民と米軍との溝をより深めていることを知ってほしい」と訴えた。
事件現場のわずか500メートル先に住む安座間好徳さん(68)=町玉上=は「白昼堂々と人通りの多い場所で犯行に及んだ。県民を虐げているとしか思えない」と憤る。
米軍関係者の関与を伝える報道に「やっぱりかという思い。復帰から48年というが、沖縄の基地負担は何も変わっていない」と語気を強めた。