復帰48年 米軍関係の犯罪絶えず 北谷強盗で2人聴取


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
強盗事件が発生し現場検証や聞き取りが行われる両替所=12日午後、北谷町北谷(新里圭蔵撮影)

 北谷町の両替所が襲われた事件で米陸軍兵1人と米軍属1人が県警から事情聴取を受けた15日は、くしくも沖縄が日本に復帰して48年を迎えた日だった。復帰後に発生した米軍関係者の犯罪は昨年末までに県警が摘発しただけでも6029件に上る。うち580件が殺人や性的暴行、強盗などの凶悪犯だ。基地周辺住民をはじめ県民の生命と財産が脅かされ続けてきた。

 ベトナム戦争の影響などもあった復帰直後と比べ件数は減少してきたものの根絶には至らず、殺人や性的暴行、強盗など凶悪犯も繰り返されている。2014年に退役したばかりの元米兵が北谷町の外貨両替店に押し入った事件もあった。

 1995年に少女乱暴事件があり、2016年には元海兵隊員で米軍属の男が女性を殺害、昨年4月には海兵隊所属の海軍兵が女性を殺害した。事件の度に県内では日米地位協定の改定要求が高まり、県も正式に改定案を示すが、日米両政府が取り組む姿勢を見せたことはない。

 日本政府は16年に発生した女性殺害事件の「再発防止策」として「沖縄・地域安全パトロール隊」(通称・青パト)の事業を始めたが、泥酔者対応が8割を占めるなど実効性が揺らいでいる。事件や事故に対して抜本的な対応を取れていないのが現状だ。