「第32軍司令部壕保存・公開を求める会」(瀬名波栄喜会長)は16日、那覇市内で役員会を開き、6月にも玉城デニー知事に崩落防止策を取り、遺骨収集をして壕を公開するよう要請することを決めた。県は崩落の危険性などからAR(拡張現実)などのIT技術を使って内部を公開することを検討している。参加者からは「重要な戦跡の意義が薄れる」と現場公開を求める意見が相次いだ。
「求める会」は首里城正殿の復元に合わせ、地下にある第32軍壕も整備して保存・公開するよう求めている。役員会では1992年に第32軍壕の調査に携わった元県知事公室長の高山朝光さんが経緯を紹介し「(第32軍壕は)沖縄戦の中枢となった場であり、しっかりと明らかにする必要がある」と語った。
役員会後には首里城公園を視察し、園内の案内板に第32軍壕の記載がないことを確認した。
副会長の垣花豊順琉球大名誉教授は「来園者に存在が伝わらない。歴史の事実として継承してほしい」と改善を求める方針を強調した。