「授精師の管理徹底を」 和牛血統不一致でJA、購買者が県に要望


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意見交換会の冒頭で挨拶をするJAおきなわの普天間朝重理事長(右端)=16日、那覇市壺川のJA会館

 久米島町内の家畜人工授精師が種付けした牛で血統不一致が相次いでいる問題で、県とJAおきなわ、県家畜改良協会の3者は16日、子牛の購買者との意見交換会を那覇市のJA会館で開いた。3者は再発防止に向けた取り組みやDNA検査の状況を購買者に報告した。

 沖縄の家畜市場で子牛を購入している県外の大口購買者5人が参加した。水迫畜産(鹿児島県)の水迫政治社長は「疑いながら牛を購入している。県には授精師の管理を徹底してほしい」と話す。

 購買者は県内で飼育される母牛の全頭DNA検査を県に求めているが、費用が農家負担になることや検査に時間がかかるなどの理由で、現在は生産農家から検査の要望がある分や、競りに上場する牛の検査に限定されている。

 購買者とJAおきなわは種付け時のミスや不正の抑止力強化を高めるため、家畜人工授精師の抜き打ち検査をすることも県に求めている。

 県とJAおきなわ、県家畜改良協会は再発防止に向けたマニュアルを作成しており、6月中には完成する見込み。JAおきなわの普天間朝重理事長は「JAは子牛の登記を信頼して牛を競りに出している。スピード感を持ち再発防止策を作らなければいけない」と話した。