牧志公設市場、再開したけれど…活況遠く「商売の岐路」


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営業を再開した第一牧志公設市場で常連客に応対する長嶺鮮魚店の長嶺次江さん(左)=18日、那覇市松尾

 新型コロナウイルスを巡り、沖縄県が14日に休業要請を一部解除したことを受け、那覇市の第一牧志公設市場は18日、営業を再開した。活況はまだ戻っておらず、粟国智光組合長は「相対売りが市場の魅力だが、配達やインターネット販売を増やさないといけないかもしれない。商売の岐路だ」と対応に苦慮する。

 約80店舗中、この日の営業再開は精肉店を中心に約3割にとどまった。客足が以前の状態に戻っていないため、商品が日持ちしにくい鮮魚店などは再開の判断が難しいという。

 老舗の長嶺鮮魚店は18日に再開したが、来店は10組にとどまった。同店の長嶺次江さんは「通常なら廊下が通れないほどお客さんがいる。早くみんなが笑顔で来られるようになってほしい」と願い、店の前を通る客に「しーぶんするよ」と威勢よく声を掛けた。

 刺し身を買った常連の男性はなじみの店が気になって訪れた。「(コロナの)治療薬が県内にどれほどあるのかの情報もない。まだ外出は不安だ」と漏らした。

 公設市場周辺も人通りは少ない。市場中央通りで土産店を営む佐和田清昌さんは14日から店を開けたが「これでは閉めている時と変わらない。観光客だけでなく、地元客も訪れる商店街に変わることが課題だ」と顔を曇らせた。