新型コロナウイルスの感染拡大で競技場での練習ができない学生らを励まそうと、陸上クラブ「アスリート工房」(譜久里武代表)は15日、陸上競技の国内トップ選手によるトークイベント「アスリート夢授業」をビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」で開いた。東京五輪出場を目指す男子走り幅跳びの津波響樹(那覇西高―東洋大出、大塚製薬)や男子400メートルの木村淳(中部商高―中央大出、大阪ガス)らが参加し、自身の夢や練習方法などを語った。
イベントは12日に続き2回目。初回は女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香や、男子十種競技で2度五輪に出場した右代啓祐らが参加した。2回目は午後7時半から約1時間半行い、約60人が視聴した。
拠点とする埼玉県は緊急事態宣言が解除されていない津波は、競技場での練習ができていない。それでも近所の公園の芝や階段、坂などを活用し「しっかりできる範囲で動けている」という。
木村も「基本的に自粛だけど、秋ごろに試合があると想定して公園などで練習している」と報告した。
東京五輪について、津波は「メダル獲得が目標。家族ら支えてくれた人たちの首にメダルをかけてあげたい」と力強く宣言。「沖縄からでも五輪に出られる、メダルが取れるということを発信したい」と語った。
選手たちは全国高校総合体育大会(インターハイ)や全国中学校体育大会(全中)が中止になるなど、コロナ禍の影響を受ける学生にメッセージも送った。木村は「素直に受け入れ、落ち込むなら落ち込むでいい。学生はいろんな経験をして成長していく。将来に生かせるようにしてほしい」と訴えかけた。
動画は譜久里代表のユーチューブチャンネル「fukuチャンネル」などで配信する予定。12日の初回もアップする。
譜久里代表は「彼らの活躍を県民が知り、応援する環境をつくっていきたいとも考えている。今後もこういう機会を設けたい」と話した。