飲食業界「支払い重なる6月が勝負」 給付金届かないと廃業も 組合理事長に聞く


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「営業再開は喜ばしい」と話す県社交飲食業生活衛生同業組合の下地秀光理事長=20日、那覇市

 新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした県の休業要請が、21日午前0時で全面解除された。20日まで休業要請が続いたキャバレーなども含め、全国で2番目に多い約2400店が加盟する県社交飲食業生活衛生同業組合の下地秀光理事長に現状などを聞いた。

 ―21日に休業要請が解除された。

 「通常営業ができるようになったのは喜ばしい。酒類の提供時間制限の要請は店にとって非常に厳しかったが、これも解除された。期間中は県の要請を受け入れている店も看板を消すなど遠慮していたが、やっとオープンに営業できる」

 ―現状は。

 「14日に休業要請が解除されたスナックなどではシングルマザーの従業員も多く、生活を守るために多くが店を開けている。長い休業の間に家飲みが定着したこともあって客足はまだ鈍い。今週末から少しずつ回復すると思う」

 ―売り上げ回復と感染拡大防止の両立が求められている。

 「手やマイクの消毒、消毒液の噴霧器設置などをする店も多く、新型コロナウイルスが流行する前と比べて意識は非常に高くなっている。社交街から感染が生じたら全面的に閉店しなくてはならなくなる。対策を徹底する」

 ―経営状況は。

 「休業中も家賃など固定費の支払いがあり、かなり厳しい。家賃については2~5割程度軽減してくれるビルオーナーもいて、軽減の動きが広がっている。3~5月に大きな影響を受けたので、支払いの重なる6月が勝負だとみている。既に貯金を崩したり借金をしたりする人もいるので、国の給付金などが手元に早く届かないと廃業する店が増えるだろう。県は協力金の必要資料について柔軟に対応してくれている。煩雑な作業によって受給漏れする人がいないよう、組合としてもしっかり取り組んでいきたい」
 (聞き手 沖田有吾)