新型コロナウイルスの感染拡大防止のため玉城デニー知事が県民に求めてきた活動自粛が21日で解除された。県民は感染対策に気をつけながら日常生活を取り戻しつつある。
那覇市内では21日午後6時半ごろ、モノレールやバスの公共交通機関で混雑が見られた。沖縄都市モノレール県庁前駅のホームでは、帰宅中の学生や会社員などが列を作ってモノレールの到着を待っていた。車内はほぼ満席で、立っている客もいた。午後7時すぎ、パレットくもじ前にある県庁北口バス停近くには少なくとも20人ほどが立っていた。バスを待っていた浦添市の50代男性は「新型コロナウイルスが感染拡大する前と比べると、人はまだ少ないのではないか」と話した。
沖縄市立図書館では、約1カ月ぶりに入場制限を設けて開館した。午前中には、開館を心待ちにしていた市民約70人が次々と訪れた。館内滞在時間を1時間以内に限定し、密にならないよう人数制限した。席にはポールを立て、来館者同士が距離を取れるようにした。浜比嘉誠人館長は「休館中は問い合わせも多数あった。土日はさらに混雑するだろう。段階的に開放したい」と語った。
石垣市は11日から学校が再開し、18日から一部の部活動が再開した。少年サッカーチームの監督(38)は、4月初旬から休止していた活動の再開について「やっとできるという気持ちだ。子どもたちの体力を見ながらゆっくり練習したい。接触を減らすメニューで練習したい」と話した。
21日は平日で雨が降る天候だったこともあり、商業施設に人の姿はまばらだった。多くのテナントショップが入居する豊見城市豊崎の沖縄アウトレットモールあしびなーではカップルや親子の買い物客を見掛ける程度だった。18日から営業再開したテナントの40代男性店員は「客足、売り上げは前年比7割減だ。戻る兆しが見えない」と嘆いた。買い物に訪れた名護市の会社員(18)は「第2波があるかもしれない。県外では感染者も続いている」と声を落とした。
宜野座村の道の駅ぎのざは観光情報センターを21日に再開したが、併設する大型遊具は閉鎖中だ。コロナ拡大前の休日は多くの家族連れでにぎわっていた。遊具を管理する村観光協会の石川秀友さん(37)は「除菌液の散布などの対策をして、6月上旬をめどに再開したい」と話した。