95歳・名物パイン作り「卒業」 今帰仁の玻名城さん「成長見ると難儀忘れる」


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パイン栽培のやりがいについて語る玻名城政國さん=20日、今帰仁村の玻名城さん宅

 【今帰仁】今帰仁(なきじん)村内のパイナップル農家で最高齢95歳の玻名城(はなしろ)政國さんが3月、運転免許返納をきっかけに第一線を退いた。畑を継いだ次男の明さん(58)が「『超』がつくほど真面目」と言う玻名城さん。30年以上にわたり、質の良いパインを作り続けた。

 61歳で村役場職員を定年退職して以降、妻が畑を管理していたこともあり、パイン農家に加わった。7千坪(約2万3100平方メートル)の畑に、加工用のパイン約70トンを栽培していた。

 昔は日よけ用のネットはなく、パイン一つ一つに新聞紙をかぶせていたという。今ほど道具は優れておらず重労働だったが「パインが成長していく姿を見ているのは気持ちが良い。植えて、育てていた時の難儀を忘れられるほど」と楽しそうに振り返った。

 パイン農家仲間の大城正吉さん(63)は「この年齢まで農家を続けられるのは簡単なことじゃない。アドバイスも丁寧で優しく、いつもよくしてもらっていた」と慕っている。

 朝昼晩の3食はしっかり取り、酒は飲まずたばこも吸わないのが「長寿の秘訣(ひけつ)」と話す。現在は明さんに畑に連れていってもらいパインを見たり、テレビでサッカー観戦したりすることが毎日の楽しみとなっている。

(喜屋武研伍)