新型コロナウイルスの感染者が1カ月にわたって確認されず、沖縄県那覇市内の公園などでは31日、休日を楽しむ家族連れの姿があった。一方、にぎわいを見せるビーチでも来客数は例年の3分の1にとどまり、第2波が発生する不安を抱えながら「新しい日常」を過ごす人たちの姿が見られた。
国際通りを行き交う人はまばらで、大半の店がシャッターを下ろしたままだ。約30店が軒を連ねる「国際通り のれん街」は県内在住者のみを受け入れ、入り口で検温や消毒を徹底する。スタッフの女性(35)は「インバウンド(外国人客)がいない影響は大きいが、少しずつ地元のお客さんは増えてきたようだ」と感じている。
正午すぎ、那覇市若狭の波の上ビーチでは、強い日差しの下で約100人が海で泳いだり、肌を焼いたりして楽しんでいた。家族5人で遊びに来た桑江遼さん(34)=那覇市=は「ずっと家にいると、精神衛生上良くない」と話し、元気に駆け回る息子の寛ちゃん(4)を見守った。
同ビーチ管理事務所によると、遊泳を再開した5月21日の来場者数113人に比べて30日は約5倍の574人に増えた。しかし、職員は「観光客が減って、これでも例年の3分の1ほどだ」と話した。
那覇市おもろまちの新都心公園では、家族連れなど多くの人がボール遊びやランニングなどで汗を流した。浦添市の40代男性は「観光客が来るのは不安だが、観光業も潤わないと県の経済が成り立たない」と複雑な思いを語った。近くの大型商業施設を訪れた浦添市の学生は「もう学校も休みにならないでほしい。第2波が来ないでほしい」と願った。