新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために沖縄県が求めていた県外と沖縄間の渡航自粛要請が、一部を除いて1日に解除された。本格的な観光客の受け入れ再開に向けて、本部町の沖縄美ら海水族館や那覇市の首里城公園など営業を休止していた観光施設が各地で営業を再開した。5月21日から分散登校を実施していた県立学校は1日から通常授業に戻り、部活動も再開した。緊急事態宣言の下で自粛が続いた社会経済活動に活気が戻りつつある。
県は北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、福岡県の6都道県については18日まで沖縄との行き来の自粛を求めており、渡航自粛要請が全面解除となるのは19日以降となる。
県をまたいだ移動が解除された1日は月曜日ということもあり、那覇空港では観光客の姿はまばらだったが、出張などのビジネス客の姿が見られた。
那覇空港ビルディング(NABCO)によると、那覇空港発の航空便は5月末には1日48便まで縮小していたが、1日は那覇―羽田などで増便があり、便数は54便に増えた。南城市の会社員の男性(25)は、当初は4月の予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期になっていた県外での研修に参加するため、那覇空港を出発した。「少し不安はある。手洗いやうがいでしっかり予防したい」と話した。
ターミナルビル内の土産店も多くが営業を再開し、142店舗中110店舗が営業している。土産品を販売することぶきの寿福清貴店長は「20日ごろから徐々に回復すると思う。夏休みは短いが、海のきれいな沖縄に来る人たちも増えるのではないか」と今後の回復に期待した。