平和の礎、新たに30人追加刻銘 計24万1593人に


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糸満市摩文仁の「平和の礎」

 沖縄県平和援護・男女参画課は1日、沖縄戦などで犠牲になった人たちの名前が刻まれる糸満市摩文仁の「平和の礎」に、2020年度は30人を追加刻銘すると発表した。平和の礎が1995年に設置され、96年から追加刻銘が始まって以降、最も少なかった。内訳は県内出身者20人、県外9人、米国人1人。刻銘者の総数は24万1593人になる。

 県内で新たに刻銘されるのは那覇市や宮古島市、今帰仁村などの出身者。5歳以下は6人。追加刻銘が最少となった理由について、県の担当者は「遺族が少なくなっているという指摘もあるが、平和の礎ができて25年になるので、亡くなったことが確認できている人はすでに刻銘されていることが理由ではないか」との見解を示した。

 平和の礎は95年6月23日に除幕した。遺族からの申請に基づき、県が策定した基本方針に沿って刻銘を決めている。県の担当者によると、ここ最近は公的な書類がないものの、親族による証言や資料に基づく申請が多いという。重複が判明した3人分は削除する。工事はすでに始まっており、6月23日の慰霊の日に間に合うよう刻銘作業を終える予定。